人にくすぐられると耐えられないのに、自分の手で同じことをしても何も起きない。
不思議ですが、これは脳が意図的にそうしています。
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実は、脳が「自分の動き」を先読みしている
私たちの脳は、体を動かすときに「これからどんな感覚が返ってくるか」を予測しています。
自分でくすぐろうとした瞬間、脳は指の動きから返ってくる感覚をあらかじめ計算し、実際に届いた刺激と照らし合わせる。予測と一致した感覚は「想定内」として弱められます。
だから自分の手ではくすぐったくならないわけです。
なぜわざわざ弱めるのか
理由は、外からの刺激を見逃さないためだと考えられています。
自分の動きで生まれる感覚をいちいち強く感じていたら、情報が多すぎて肝心の外部刺激に気づけません。服が肌に触れる感覚を普段は忘れていられるのも、同じ仕組みのおかげです。
くすぐったさは本来、皮膚に何かが触れたことを知らせる警報のようなもの。自分の指では鳴らす必要がありません。
おまけ:予測がずれると自分でもくすぐったい
この説明が正しいなら、予測を外せば自分でもくすぐったくなるはずです。
実際、ロボットアームを介して自分の動きにわずかな遅れを加えると、くすぐったさが戻ってくるという実験結果が報告されています。ずれが大きいほど、他人にくすぐられたときの感覚に近づきます。
脳が計算しているのは「動き」ではなく「タイミングを含めた予測」だということです。
明日、こう話せる
くすぐりの話題が出たら「自分でくすぐれないのは、脳が自分の動きを先読みして感覚を弱めてるからなんだよ」と言えます。
「ロボット越しに少し遅らせると自分でもくすぐったくなるらしい」まで足せば、話が一段面白くなります。
参考
- 感覚予測(sensory prediction)に関する神経科学の解説
- 自己刺激の減衰に関する実験研究の報告
