唐辛子の辛さは舌にきますが、わさびは鼻にツンときます。
同じ「辛い」という言葉で呼んでいますが、起きていることはまるで違います。
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実は、わさびの辛み成分は空気に乗る
わさびの辛さの正体は、アリルイソチオシアネートという成分です。
この物質は揮発性が高く、すりおろした瞬間から空気中に飛び出していきます。口に入れると鼻の奥へ回り込み、鼻腔の粘膜を直接刺激する。あのツンとした感覚は、舌ではなく鼻で起きている反応です。
一方、唐辛子のカプサイシンはほとんど揮発しません。舌の上に留まって熱さの受容体を刺激し続けるので、痛みが長引きます。
だから対処法も違う
わさびのツンは、数秒で引きます。成分が揮発してしまえば終わりだからです。
唐辛子の辛さがなかなか消えないのは、カプサイシンが油に溶けやすく、口の中に残るため。水を飲んでも流れず、牛乳のような脂肪分のあるものが効くのはこのためです。
わさびで悶絶したときは、口を開けて息をするだけで抜けます。
おまけ:わさびは切り方でも辛さが変わる
アリルイソチオシアネートは、もとから含まれているわけではありません。
わさびの細胞が壊れたときに、酵素の働きで初めて生まれます。だから細かくすりおろすほど辛くなり、粗く切ると辛みは弱い。
「の」の字を書くようにゆっくりすりおろすと辛くなる、と言われるのはこの仕組みによるものです。
明日、こう話せる
寿司屋で使えます。「わさびが鼻に抜けるのは、成分が空気に飛ぶからなんだよ」。
「唐辛子は舌に残るから水じゃ消えない。わさびは息すれば抜ける」と続けると、実用的で喜ばれます。
参考
- アリルイソチオシアネートに関する食品化学の解説
- カプサイシンの性質に関する資料
