「サボる」はフランス語だった。100年前に生まれた言葉の由来

「サボる」はフランス語だった

「今日はちょっとサボりたい」の、サボる。

いかにも日本語らしい響きですが、元をたどるとフランス語に行き着きます。

目次

実は、フランス語の「サボタージュ」から来ている

サボるの語源は、フランス語の sabotage(サボタージュ)です。

大正時代、日本の労働争議のなかでこの言葉が使われるようになりました。やがて「サボタージュする」が省略され、動詞化して「サボる」が生まれます。

外来語の頭だけを取って、日本語の動詞語尾「る」をくっつける。今でこそ見慣れた作り方ですが、およそ100年前にはすでにこの形が成立していたことになります。

元の意味は「働くけれど、手を抜く」

サボタージュは本来、労働者が意図的に作業能率を落として抗議する行為を指します。

ストライキが「働くのをやめる」ことだとすれば、サボタージュは「働くけれど手を抜く」こと。仕事の場から離れないぶん、雇用主にとってはやりにくい戦術でもありました。

日本語の「サボる」が今も「やるべきことを避ける」という意味で使われているのは、この原義がそのまま残っているからです。

語源の語源は「木靴」。ただし諸説あります

sabotage をさらにさかのぼると、フランス語の sabot(サボ)という単語に行き着きます。木をくり抜いて作った木靴のことです。

ここから先には諸説があります。

よく語られるのが「怒った労働者が木靴を機械に投げ込んで壊した」という説です。劇的でわかりやすい話ですが、これは後世に作られた俗説とする見方が有力です。

現在よく採られている説明は、sabot から派生した動詞 saboter が、もともと「木靴でがさつに音を立てる」「乱暴に扱う」といった意味を持っていたというもの。そこから「雑にやる」「台無しにする」の意味に転じたと考えられています。

要するに、木靴で機械を壊すという派手なエピソードのほうが有名になってしまった、というのが実情のようです。

おまけ:同じ作り方の言葉は今も増え続けている

「サボる」と同じく、外来語に「る」をつけて動詞化した言葉はたくさんあります。

  • ダブる(double)
  • ミスる(miss)
  • バグる(bug)
  • ググる(Google)

大正時代のサボるから、インターネット以降のググるまで。100年以上にわたって、この作り方はずっと現役です。

明日、こう話せる

誰かが「サボる」と言ったときに「それ、フランス語だって知ってた?」と返せます。「サボタージュのサボね」まで言えば、たいてい納得してもらえます。

木靴の話まで出すなら「諸説あるらしいけど」と一言添えておくのが安全です。断定しないほうが、かえって詳しい人に見えます。

参考

  • 国語辞典における「サボる」「サボタージュ」の記述
  • フランス語辞典における sabot / saboter の記述
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