世界一短い定期旅客便は2分で着く。最速記録はたった53秒

世界一短い定期旅客便は2分で着く。最速記録はたった53秒

飛行機に乗るとなると、ちょっとした覚悟がいります。

空港に早めに着いて、保安検査を抜けて、座席に座る。国内線でも、飛んでいる時間だけで1時間前後はかかるものです。

世界には、飛んでいる時間が2分の定期便があります。最速記録は53秒です。

目次

滑走路から滑走路まで、2.7キロ

場所はイギリス、スコットランドの北に浮かぶオークニー諸島です。

ウェストレー島と、パパ・ウェストレー島。この2つの島を結ぶ路線が、世界で最も短い定期旅客便としてギネス世界記録に登録されています。

項目内容
距離約2.74キロ
所要時間(ギネス記録)地上走行を含めて約2分
最速記録53秒
運航ローガンエア(1967年から)
機体8人乗りの小型プロペラ機

2.7キロといえば、歩いても40分ほどの距離です。時刻表上の飛行時間は1分半。実際に空にいる時間は、1分に近いといいます。

追い風が強く、荷物が軽い日には、53秒で到着したこともあるそうです。

観光名物ではなく、島の暮らしの足

ここまで聞くと、話題作りの路線に思えるかもしれません。

違います。住んでいる人のための路線です。

パパ・ウェストレー島で暮らしている人は、80人ほど。病院に行ったり、行政の手続きをしたり。島の外にある医療や社会サービスにつながるための、大事な足になっています。

島のあいだに橋はありません。北の海は荒れることも多い。だから飛ぶ。

1日に2〜3便。わずか2分のフライトが、島の生活を支える命綱として毎日飛んでいるわけですね。

おまけ:シートベルトを締めたら、もう着く

乗った人の感想を読むと、どれも似ています。

座って、ベルトを締めて、窓の外を見ていたら、もう降り始めている。多くの旅客機が離陸して巡航高度まで上がる時間より、短いのです。

当然、飲みものが配られることはありません。

それでも夏になると、「世界最短」を体験しに来る旅行者が島を訪れます。わざわざ遠いスコットランドの北まで行って、2分だけ飛んで帰る。なかなか贅沢な寄り道です。

生活の足として飛んでいる便に、観光客が混ざって一緒に53秒を過ごす。その景色を想像すると、少し楽しくなります。

明日、こう話せる

旅行の話や、飛行機の話題が出たときに使えます。

「世界一短い飛行機の定期便って、何分か知ってる?」

たいてい「30分くらい?」と返ってきます。

「2分。スコットランドの島と島を結んでて、距離は2.7キロ。いちばん速かったときは53秒で着いてる」

驚かれたところで、こう続けます。

「観光用じゃなくて、80人くらいの島の人が病院とかに行くための便なんだって」

数字で驚かせて、暮らしの話で終わる。短いフライトの話にしては、少し長く覚えてもらえます。

参考

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この記事を書いた人

「どうせヒマなら」を運営している市田健人(いちだ けんと)です。東京でWeb制作とデザインの仕事をしながら、ベースケント合同会社(BASE KENT)の代表をしています。専門家ではありません。気になったことを調べて、裏が取れたものだけを書いています。定説が定まっていない話は「諸説あります」と正直に書く方針です。3分で読めて、誰かに話したくなる話を毎日ひとつ。暮らしとWeb制作の実用情報を扱う「Ex-TORANOMAKI」も運営しています。

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