人間の骨は206本。
理科の授業で習った数字です。体が大きくなるにつれて骨も育っていく。そういうイメージを持っていました。
赤ちゃんのほうが多いです。生まれたときは、およそ300個あります。
増えるのではなく、くっついて減る
成長とは、骨が増えることではありません。離れていた骨どうしがくっついて、1つになっていく過程です。
| 時期 | 骨の数 |
|---|---|
| 生まれたとき | 約300個(軟骨を含む) |
| 大人 | 約206個 |
100個近くが、どこかへ消えるわけではありません。合体して数が減るだけです。
成長を「積み上げ」だと思っていたら、実際は「まとめ上げ」だった。この順番が、私には意外でした。
赤ちゃんの体が柔らかいのは、骨がまだ細かく分かれていて、そのすき間が軟骨で埋まっているからでもあります。
頭の骨は、わざと隙間を空けてある
いちばん分かりやすいのが頭です。
大人の頭蓋骨は硬い一体の器のようになっていますが、赤ちゃんの頭はいくつかの骨のピースに分かれています。そしてピースの間には、骨のないすき間がある。
これを泉門(せんもん)と呼びます。
- 大泉門…おでこの上あたり。ひし形で3センチほど。生後10か月から18か月ごろに閉じる
- 小泉門…後頭部側。三角形で、生後2か月ごろには閉じる
なぜ、わざわざ隙間を残して生まれてくるのか。理由は2つあります。
ひとつは産道を通るため。すき間があると、骨どうしがわずかに重なり合えます。頭の形を一時的に変えて、狭い道を抜けられる。
もうひとつは脳のため。生まれたあと、脳は猛烈な勢いで大きくなります。頭の器が固まっていたら、追いつけません。
完成させずに生まれてくる。それが人間の設計だったわけですね。
なお、泉門のへこみや膨らみは体調のサインになることもあるそうですが、そこは小児科の領域です。この記事では形の話に留めておきます。
おまけ:骨の数には、個人差がある
もうひとつ、気になる話があります。
骨のくっつき方は、人によって違います。
たとえば尾てい骨。3本の人もいれば、5本の人もいるそうです。他の部位でも、癒合の仕方には幅があります。
つまり「206本」は、あくまで平均的な目安。自分の骨が何本あるのかは、実のところ分かりません。
数えたことのない自分の部品が、そこそこの誤差を持っている。なかなか落ち着かない話です。
明日、こう話せる
子どもの話や、体の話題が出たときに使えます。
「人間の骨って206本っていうけど、赤ちゃんは300個くらいあるの知ってる?」
たいてい「増えるんじゃないの」と返ってきます。そこが狙いです。
「逆なんだよ。育つと骨どうしがくっついて減っていく。頭の骨なんて最初はバラバラで、すき間が空いてる。産道を通るときに重ねて、頭の形を変えて出てくるから」
そして最後にこれを足します。
「しかもくっつき方に個人差があって、尾てい骨の数は人によって違うらしいよ」
自分の体の話なのに、確かめようがない。そこがいちばん面白いところです。
