コピー用紙を1枚、手に取ってみてください。
A4を半分に折るとA5になります。2枚並べるとA3。当たり前に使っていますが、折っても形が変わらないというのは、よく考えると不思議です。
あの比率でなければ、こうはなりません。
ふつうの紙は、折ると形が変わる
たとえば正方形の紙を半分に折ると、細長い長方形になります。元とは別の形です。
もう一度折れば、また違う形になる。ふつう、紙は折るたびに姿を変えます。
ところがA判は違います。A4もA5もA6も、全部同じ形。大きさだけが変わって、縦横のバランスは崩れません。
コピー機で「A4をA5に縮小」ができるのは、この性質のおかげですね。形が同じなので、そのまま縮めれば収まります。
形が変わらない比は、1対√2しかない
なぜそうなるのか。少しだけ計算してみます。
短い辺を1、長い辺をいくつかとします。これを半分に折ると、長い辺だったほうが半分になり、短い辺と長い辺が入れ替わる。
折る前と後で同じ形になる。この条件を満たす数を探すと、答えは1つしかありません。
1.41421356…
いわゆるルート2、白銀比と呼ばれる数字です。
実際に確かめてみましょう。A4は210ミリ×297ミリ。297を210で割ると、1.4142…。ぴったり合っています。
| サイズ | 寸法 |
|---|---|
| A3 | 297 × 420mm |
| A4 | 210 × 297mm |
| A5 | 148 × 210mm |
| A6 | 105 × 148mm |
数字をよく見ると、上の段の短い辺が、下の段の長い辺になっているのが分かります。折るたびに、そうやって引き継がれていくわけです。
おまけ:A0の面積は、ちょうど1平方メートル
もうひとつ、きれいな決め方があります。
A判のいちばん大きいA0は、面積がちょうど1平方メートルになるよう定められています。
そこから半分ずつにしていくのがA1、A2、A3。だからA4は、1平方メートルを4回半分にしたものということになります。
考えたのは19世紀末のドイツの化学者オストヴァルトで、その後、助手のポルストマンがドイツの工業規格にまとめました。それが国際規格として広まり、1975年にISO216となって今に至ります。
ちなみにB判は、日本独自の規格です。かつて官公庁の書類はB判でした。手元にB5のノートがあれば、そちらも折ってみてください。同じように形が変わりません。
明日、こう話せる
コピー用紙やノートが手元にあるときが、そのまま出番です。
「この紙、半分に折っても形が変わらないの知ってる?」
たいてい「そう?」と言いながら折ります。
「A4を折るとA5になるでしょ。縦横の比が1対ルート2だから、半分にしても同じ形のまま。その比じゃないと成り立たない」
そして最後にこれを足します。
「しかもいちばん大きいA0は、面積がちょうど1平方メートル。そこから半分ずつにしていったのがA4」
紙を折りながら話せるので、説明がいりません。手が勝手に納得します。
