アルミホイルを引き出すと、片面はぴかぴか、もう片面はくすんでいます。
どちらを表にすればいいのか。魚を包むとき、オーブンに敷くとき、一瞬迷ったことはありませんか。私は毎回、なんとなく光る面を外にしていました。
どちらでも同じです。裏表はありません。
2枚重ねて延ばすから、片面だけくすむ
なぜ、ああいう見た目になるのか。理由は作り方にあります。
アルミホイルは、板を何度もローラーに通して薄く延ばしていきます。ところが最後のほうになると、1枚では薄すぎて扱いきれません。
そこで2枚を重ねて、いっしょにローラーに通します。
すると、こうなります。
| 面 | 何に触れていたか | 仕上がり |
|---|---|---|
| 外側 | 硬いローラー | つるつるの光沢面 |
| 内側 | もう1枚のアルミ | 細かな凹凸ができ、つや消し |
柔らかいアルミ同士が押し合った面は、表面に細かな凸凹ができます。そこで光が乱反射するので、くすんで見える。
わざと2種類の面を作っているわけではありません。2枚重ねて延ばした結果、そうなってしまうだけです。
最後に2枚をはがして、それぞれロールに巻く。だから1枚のホイルに、ローラー側とアルミ側の顔が残るわけですね。
メーカー自身が「裏表はない」と言っている
作り手はどう説明しているのか。
アルミホイルを製造している東洋アルミニウムのQ&Aには、「表面と裏面というものはない」とはっきり書かれています。
つまり、どちらを使っても構いません。包むときも、焼くときも、敷くときも。
迷う必要が、そもそもなかった。
長年なんとなく光る面を外にしてきた身としては、少し拍子抜けします。あの数秒の迷いは、完全に無駄だったわけですね。
おまけ:2枚重ねは、薄さのための工夫
ここで気になるのが、なぜわざわざ2枚重ねるのかという点です。
答えは単純で、そうしないと薄くできないからです。
1枚だけで限界まで延ばそうとすると、破れてしまいます。2枚重ねておけば、互いが支えになって耐えられる。しかも1回通せば、薄いホイルが一度に2枚分できあがります。
台所にあるあの薄さは、破れる寸前を2枚がかりで乗り切った結果です。
そう思って見ると、ずいぶん際どいところで作られている道具に見えてきます。
明日、こう話せる
料理をしているときや、お弁当を包んでいるときが出番です。
「アルミホイルって、どっちが表か知ってる?」
たいてい「光ってるほうでしょ」と返ってきます。自信満々のこともあります。
「どっちでもいいんだって。メーカーが裏表はないって言ってる」
そのうえで、理由を足します。
「薄く延ばすときに2枚重ねてローラーに通すから、外側だけツルツルになる。わざと分けてるわけじゃないらしいよ」
台所にその場でホイルがあるので、確認しながら話せます。次から迷う時間がなくなるのも、ちょっとした手土産になります。
