バナナは放射線を出している。ただし、あなたも出している

バナナは放射線を出している。ただし、あなたも出している

バナナは放射線を出しています。

こう書くと物騒に聞こえますが、事実です。しかも隠された事実というわけでもなく、理科の話として昔から知られています。

ただ、この話には続きがあります。同じことが、あなたの体でも起きています。

目次

犯人はカリウム40

バナナにはカリウムが多く含まれています。健康番組でもよく紹介される、あのカリウムです。

自然界にあるカリウムのうち、ごくわずかな割合が「カリウム40」という放射性の同位体です。これが微量の放射線を出しています。

バナナを1本食べたときに受ける線量は、およそ 0.1マイクロシーベルトとされます。

この数字には名前まで付いていて、バナナ等価線量と呼ばれます。ごく小さな放射線量を説明するとき、「バナナ〇本分」と言い換えるための、いわば通訳用の単位です。

あなたの体は、常に放射線を出している

ここからが本題です。

カリウムは、人間の体にも欠かせないミネラルです。当然、その一部はカリウム40です。

人の体には1キログラムあたり約2.5グラムのカリウムが含まれています。体重60キロの成人だと、体内の放射能はおよそ4000ベクレル。これによる年間の内部被ばくは、約0.17ミリシーベルトと見積もられています。

つまり、あなたは生まれてからずっと放射線を出し続けている。隣にいる人も、同じように出しています。

バナナが特別なのではありません。カリウムを含むものはすべて同じです。

おまけ:バナナを食べても、被ばく量は増えない

さらにひっくり返る話があります。

体内のカリウムの量は、代謝によって一定に保たれています。多く摂れば、余った分は排出される仕組みです。

そのためバナナを食べたからといって、体内のカリウム40が増え続けるわけではありません。 一時的に増えても、やがて元の水準に戻ります。

ちなみにバナナ等価線量は、正式な測定単位ではありません。「自然の食べ物にもこの程度の放射線がある」ということを一般の人に伝えるための、説明用のたとえとして使われているものです。

数字を並べるより、「バナナ何本分」と言ったほうが伝わる。単位というより、翻訳の道具ですね。

明日、こう話せる

バナナを食べている人が近くにいるときが狙い目です。

「それ、放射線出てるよ」

驚かれたところで、すぐ種明かしをします。

「バナナはカリウムが多くて、その一部が放射性のカリウム40なんだよ。でも人間の体も同じで、体重60キロなら4000ベクレルくらいある」

そして「だから今この瞬間、お互い放射線を出し合ってる」と締めると、変な顔をされつつ覚えてもらえます。

参考

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「どうせヒマなら」を運営している市田健人(いちだ けんと)です。東京でWeb制作とデザインの仕事をしながら、ベースケント合同会社(BASE KENT)の代表をしています。専門家ではありません。気になったことを調べて、裏が取れたものだけを書いています。定説が定まっていない話は「諸説あります」と正直に書く方針です。3分で読めて、誰かに話したくなる話を毎日ひとつ。暮らしとWeb制作の実用情報を扱う「Ex-TORANOMAKI」も運営しています。

目次