チューブのわさびを手に取ると、パッケージにこう書いてあります。
「本わさび使用」。あるいは「本わさび入り」。
似たような言葉が並んでいるので、私は長いこと同じ意味だと思っていました。メーカーによって書き方が違うだけだろう、と。
違います。この2つには、はっきりした基準があります。
分かれ目は、本わさびが50%かどうか
業界団体である日本加工わさび協会が、統一基準を定めています。
| 表示 | 本わさびの割合 |
|---|---|
| 本わさび使用 | 原料のわさびのうち 50%以上 |
| 本わさび入り | 50%未満 |
「使用」と「入り」。たった二文字の差ですが、中身は倍近く違うことになります。
言われてみれば「入り」というのは、少しだけ入っているという意味にも読めます。日本語としては正確なんですね。気づかなかっただけで。
残りの半分は「西洋わさび」
では、本わさび以外の部分は何なのか。
多くの場合、西洋わさびです。ホースラディッシュとも呼ばれる、別の植物になります。ローストビーフに添えられている、あの白い薬味と同じものです。
西洋わさびは辛味が強く、栽培しやすいので価格も安い。一方の本わさびは、きれいな水と手間を必要とする作物です。
つまりチューブわさびは、性質の違う2種類の植物をブレンドした製品ということになります。
ちなみに西洋わさびは白いので、緑色は後から調整されています。あの色は本わさびの色ではありません。
おまけ:原材料表示を見れば、もっと分かる
もう少し正確に知りたいときは、裏の原材料表示を見てください。
食品の原材料は、使用量が多い順に書くのが原則です。
そこで「西洋わさび」と「本わさび」のどちらが先に書かれているかを見ます。西洋わさびが先なら、そちらのほうが多い。表側のうたい文句より、こちらのほうが正直です。
私はこれを知ってから、スーパーでチューブを裏返す癖がつきました。
明日、こう話せる
寿司や刺身を食べているときが出番です。
「わさびのチューブに『本わさび使用』と『本わさび入り』ってあるじゃん。あれ意味が違うの知ってた?」
相手が首をかしげたら、続けます。
「本わさびが50%以上なら『使用』、それ未満なら『入り』。業界で決まってるんだって」
そして「残りは西洋わさび。ローストビーフに付いてくる白いやつ」と足すと、たいてい「あれと同じなの」と驚かれます。
