雨上がりの空にかかる虹。
きれいなアーチです。だから「虹の橋」なんて言い方もします。私は長いこと、虹とはああいう弓なりの形をしたものだと思っていました。
丸です。下半分が地面に隠れているだけでした。
中心になる点が、空のどこかにある
まず、虹が出る位置には決まりがあります。
太陽を背にして立ってください。自分の影が前に伸びますね。その影の先、太陽とちょうど正反対にあたる点が、空のどこかにあります。これを対日点と呼びます。
虹は、この点を中心にした円として現れます。
| 中心からの角度 | 色の並び | |
|---|---|---|
| 主虹(いつも見えるほう) | 半径およそ42度 | 外側が赤 |
| 副虹(うっすら出るほう) | 半径およそ51度 | 内側が赤 |
この角度は、空気と水の屈折率で決まっています。だから虹の大きさは、いつでも同じ。近づいても離れても、虹が大きくならないのはこのためですね。
条件を満たす水滴を全部つなぐと、きれいな円になります。
下半分は、地面の下にある
では、なぜ円に見えないのか。
対日点が、地平線より下にあるからです。
太陽が空に昇っているということは、その正反対の点は地面の下にあるということ。中心が埋まっているので、円の下側も当然、地面の向こうに隠れてしまいます。
ここから分かることがあります。太陽が低いほど、対日点は地平線に近づく。つまり見える部分が増えます。
夕方の虹が大きくて立派に見えるのは、気のせいではありません。日の入りに近い時間ほど、円の上半分にぐっと近づくからです。
逆に真昼は、太陽が高いぶん対日点が深く沈み、虹が出ても地面すれすれの小さな弧にしかなりません。
ときどき、虹が二重にかかっていることがありますね。外側のうすいほうが副虹です。あれも同じ中心を共有する円で、赤と紫の並びだけが逆になっています。見かけたら、色の順番を確かめてみてください。
おまけ:庭でも、丸い虹は作れる
完全な円の虹を見る方法があります。
ひとつは、飛行機や高い建物から見ること。足元まで視界が開けていれば、円形の虹が見えることがあります。
もうひとつは、自分で作ることです。
太陽を背にして、脚立などで少し高い位置に立ち、自分の頭の影を狙って水をまく。霧状の細かい水滴が広がれば、目の前に丸い虹が現れます。
大がかりな装置はいりません。ホースと、晴れた日と、少しの高さがあればいい。
千年見上げてきた形が、実は半分だった。残り半分は、庭で作れます。
明日、こう話せる
虹が出たときや、雨上がりの空を見ているときに使えます。
「虹って、本当は丸いの知ってる?」
たいてい「アーチでしょ」と返ってきます。
「下半分が地面に隠れてるだけなんだよ。太陽のちょうど反対側の点を中心にした、半径42度の円」
そして最後にこれを足します。
「だから夕方の虹は大きい。太陽が低いと、中心が地平線に近づくから見える範囲が増える」
次に虹を見たとき、地面の下の続きを想像してもらえたら成功です。
