コップに入れた水は、どう見ても透明です。
色なんてついていない。だから海が青いのは、空の色を映しているから。私はずっとそう思っていました。
半分は当たっています。ただ、もう半分が抜けていました。
水そのものに、うっすらと青い色がついています。
水は赤い光を吸い込んでいる
水の分子には、赤やオレンジの光をわずかに吸収する性質があります。
「わずかに」というのが厄介なところで、コップ1杯くらいの厚みではまったく分かりません。透明にしか見えない。
ところが光が水の中を数メートル進むと、話が変わります。赤い成分が少しずつ削られていき、残るのは青や緑に寄った光だけ。だから水は、量が増えるほど青くなります。
ごく薄い色つきのフィルムを想像してください。1枚では色がついているかどうかも分からない。でも百枚重ねれば、はっきり色が出ます。水の青は、これと同じ理屈です。
空の反射「だけ」ではなかった
海や湖が青いのは、空を映しているからだと説明されることがあります。
これは間違いではありません。実際、水面は空を反射しています。ただ、それだけで全部を説明することはできない。
分厚い水そのものが持つ青。水が青い光を散らす性質。この2つも効いています。
曇りの日を思い出してみてください。空は灰色なのに、海はちゃんと青い。もし反射だけが理由なら、あの日の海は灰色でなければおかしいわけです。
おまけ:氷と雪でも確かめられる
同じ現象は、水が凍っても起きます。
氷河の割れ目をのぞくと、奥のほうが吸い込まれるような青をしています。分厚い氷を通り抜けるあいだに、赤い光が抜けてしまうからです。
雪も同じで、白い雪面に開いた深い穴の底が青く見えることがあります。積もっているのは白い雪なのに、奥だけ青い。
家でも試せます。白い浴槽にお湯を張って、上からのぞいてみてください。私はやってみましたが、たしかにほんのり青く見えました。白い容器と、ある程度の深さ。この2つがそろうと分かりやすいです。
明日、こう話せる
海や川が見える場所にいるときが出番です。
「海が青いのって空の反射だと思われてるけど、水そのものが青いんだよ」
相手が「え、透明じゃないの」と言ったら、こう続けます。
「コップだと分からないだけ。厚みがあると赤い光が吸収されて青くなる。だから氷河も青いんだって」
とどめに「曇りの日でも海は青いでしょ」と付け足すと、その場で納得してもらえます。理屈より、目の前の事実のほうが強いです。
