スーパーの野菜売り場を思い浮かべてください。
絹さや、スナップエンドウ、グリーンピース、豆苗。置いてある場所も、値段も、使いみちもばらばらです。当然、別々の野菜だと思っていました。
全部エンドウです。同じ植物の、違う時期を食べています。
違うのは、いつ収穫するか
エンドウはマメ科エンドウ属の植物です。そして育つ段階ごとに、呼び名が変わります。
| 段階 | 呼び名 |
|---|---|
| 芽 | 豆苗(とうみょう) |
| さやが若いうち | さやえんどう(小ぶりなものは絹さや) |
| 豆がふくらんだ未熟な状態 | グリーンピース |
| 完全に熟したもの | えんどう豆 |
同じ畑の、同じ株です。摘み取るタイミングだけが違う。
育ち方の途中を、全部いただいているわけですね。ひとつの植物から、こんなに名前が増える野菜もそうありません。
いちばん意外だったのは豆苗でした。あの安くて便利な緑の束が、グリーンピースの赤ちゃんだったとは思いませんでした。
言われてみれば、豆苗のパックの底には豆がぎっしり詰まっています。あれは飾りではなく、そこから芽が出ている証拠だったわけですね。根元を残して水につけておくと、また伸びてくるのも納得です。
スナップエンドウだけ、少し事情が違う
ここで、ひとつ例外があります。
スナップエンドウは、単なる成長段階ではありません。グリーンピースを品種改良して、さやごと食べられるようにしたものです。
豆がしっかりふくらんでいるのに、さやは硬くならない。肉厚で甘いのは、そのために作られたからですね。
つまり4つのうち3つは「時期の違い」で、スナップエンドウだけが「人の手で分かれた枝」ということになります。
おいしいところを両取りしたい、という発想から生まれた野菜です。
おまけ:段階で、栄養も入れ替わる
同じ植物でも、中身はずっと同じではありません。
たとえばビタミンCとビタミンK。さやえんどうは、この2つが他の2種より多いとされています。
若いさやには、豆になる前の成分が乗っている。育って豆がふくらむと、今度は別のものが増えていく。
収穫の時期を選ぶことは、栄養の組み合わせを選ぶことでもある。そう考えると、売り場に4種類並んでいるのも合理的です。
どれを買うか迷ったときは、「今日はエンドウの何歳を食べたいか」で選んでもいいかもしれません。
明日、こう話せる
食卓に豆類が出たときや、買い物中に使えます。
「豆苗とグリーンピースって、同じ植物なの知ってる?」
たいてい「別物でしょ」と返ってきます。見た目が違いすぎるので。
「エンドウの育つ段階なんだよ。芽が豆苗で、若いさやがさやえんどう。豆がふくらむとグリーンピース、完全に熟すとえんどう豆」
そして最後にこれを足します。
「スナップエンドウだけは品種改良。さやごと食べられるように作られたやつ」
売り場で4種類を並べて確認できるので、その場で決着がつきます。
