リモコンの電池が切れて、コンビニへ。
買うのはたいてい単3か単4ですね。この「単」が何の略なのか、レジに並びながら考えたことはありませんでした。
「単位電池」の単です。
束ねていた時代の、名残だった
電池工業会の解説に、答えがそのまま書いてありました。
1935年ごろまでは、強い電池が必要なとき、小さな電池を何個かまとめて1つの容器に入れていたそうです。
そのあと、今のように1個ずつ使う形が主流になります。束ねたものではなく「1つの電池」である。それを示すのが「単位電池」という言い方でした。
その頭の1文字をとって、単1、単2。続く数字は、大きさの順に振っただけです。正式にこう呼ばれるようになったのは1942年から。80年以上使われている呼び名なんですね。
反対に、複数を組み合わせたものは今も「組電池」と呼びます。単があるなら組もある、という話でした。
ちなみに「乾電池」の「乾」も、似たような事情です。昔の電池は液体がこぼれやすかった。1888年にドイツのガスナーという人が、液をこぼれないよう固めた電池を発明します。それが「乾いた電池」と呼ばれ、今もその名が残っています。
「単3」で通じるのは、日本だけ
ここが少し意外でした。
「単」は日本の呼び方で、海外では通じません。
| 日本 | 国際規格(IEC) | アメリカ |
|---|---|---|
| 単1形 | R20 | D |
| 単2形 | R14 | C |
| 単3形 | R6 | AA |
| 単4形 | R03 | AAA |
| 単5形 | R1 | N |
海外で単3を買うなら「AA」。輸入品の説明書で見かける「AA電池」は、単3のことです。
国際規格の番号にも目を向けてください。単1がR20、単2がR14、単3がR6。まるで順番になっていません。こちらは寸法から決まる番号で、日本の「大きさの順」とは発想そのものが違うわけですね。
おまけ:単3は、単2より背が高い
表をつくっていて、おかしなことに気づきました。
規格で決まっている寸法は、こうです。
- 単2形(R14)… 高さ50.0ミリ、直径26.2ミリ
- 単3形(R6)… 高さ50.5ミリ、直径14.5ミリ
単3のほうが、0.5ミリ高い。
小さくなっているのは太さだけでした。26.2ミリから14.5ミリへ、半分近くまで細くなる。背丈はむしろ、わずかに伸びています。
手元に両方あれば、並べてみてください。言われてみれば、高さはほとんど同じです。「大きさの順」という説明を聞いたあとだと、少し裏切られた気分になりました。
もうひとつ。単1から単5まで、電圧はどれも1.5ボルトで同じです。違うのは中に詰まっている材料の量、つまり電池の持ち。大きいほうが長く使えるという、それだけの差なんですね。背の高さの話も含めて、「大きい電池はえらい」という思い込みが少しずつ崩れていきます。
明日、こう話せる
リモコンや時計の電池を替えるときが出番です。
「単3の『単』って、何の単だと思う?」
たいてい「単体の単じゃないの」くらいが返ってきます。惜しいところです。
「単位電池の単だって。昔は小さい電池を何個も束ねて使ってたから、『これ1個で完結してますよ』っていう意味」
そして最後にこれを足します。
「しかも単3って、単2より背が高いんだよ。細くなってるだけ」
その場で2本並べて確かめられます。話の終わりに手が動く、いい持ちネタです。
